2026年、10万人を超えた100歳社会のリアル——「孫の孫」にあたる家系と法律、相続の全貌
玄孫 と は、自分から数えて4世代あとの子孫、いわゆる「孫の孫」を指す家系用語だ。読み方は一般的に「やしゃご」、あるいは漢語読みで「げんそん」と発音される。2026年の日本は、百寿者(100歳以上の高齢者)の人口が過去最多を更新し続けており、玄孫の誕生をこの目で届ける長寿者がもはや珍しい存在ではなくなった。命の系譜が5つの世代にわたって同時に存在する風景は、かつての超稀少な奇跡から、現代における身近な家族の日常へと形を変えつつある。
しかし、いざ自分が当事者になったとき、言葉の正確な読み分けや親族関係の定義について戸惑う人は少なくない。実は民法上の親族区分において玄孫 と は「4親等の直系血族」という明確な法的ポジションを与えられており、扶養義務や相続の場面でも独自の扱いを受ける。冠婚葬祭でのお祝いの相場から最新の相続税対策まで、知っておくべき実務と歴史の背景を解き明かしていこう。
「やしゃご」と「げんそん」どちらが正解?呼び方と家系図の正しい数え方

日常会話で口にする「やしゃご」という響きは、どこか昔話のような親しみやすさを感じさせる。一方で公的な文書や歴史的文献では「げんそん」と読まれるのが一般的だ。どちらも漢字では同じ「玄孫」と書くが、用途によって使い分けられている。
家系図を辿る際の数え方は極めてシンプルだ。自分を起点(0)とすると、子(1親等)、孫(2親等)、ひ孫=曾孫(3親等)、そして玄孫(4親等)となる。ひ孫の子供が玄孫だ。ちなみに、そのさらに下の世代、つまり玄孫の子は「来孫(らいそん)」、その次は「昆孫(こんそん)」と続く。どこまでも続く命の連なりには、それぞれ漢字文化圏ならではの味わい深い名前が割り振られている。
2026年の高齢化率がもたらした「5世代同室」という新たな日常

平均寿命が伸び続けた結果、日本社会の家族構造はかつてない変容を遂げている。医療技術の進歩と健康寿命の延伸に伴い、ひ孫どころか玄孫を抱っこするひいひいおじいちゃん、ひいひいおばあちゃんが全国各地で誕生しているのだ。
かつては「五代同堂」といえば地方の旧家で見られる非常に珍しいおめでたいニュースだった。しかし2026年現在の都市部や郊外においても、オンライン帰省やデジタルアルバムの普及によって、世代を超えたコミュニケーションが緊密に行われている。ひいひいおじいちゃんがスマホ越しに玄孫の寝顔を眺め、デジタルネイティブの玄孫が曾祖父の昔話に耳を傾ける。そんな多世代交流の姿が、令和の家庭像として定着し始めた。
法的な位置付け:民法第725条が定める「4親等」の直系血族
日本の民法において、親族の範囲は「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」と定められている(民法725条)。玄孫は自分から数えて4親等にあたるため、法律上も完全に「親族」の枠内に入る。
ここで気になるのが法律上の義務だ。民法877条第1項には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と記載されている。つまり、自分と玄孫の間には理論上、互いを扶養する義務が存在する。もちろん現実の社会生活において、高齢の曾祖父・曾祖母が幼い玄孫を直接養育したり、逆に成人した玄孫が老後の生活費を全面的に支援したりするケースは稀だ。だが、法的なつながりとしては非常に強い血縁関係で結ばれている事実に変わりはない。
代襲相続のルール:遺産は「孫の孫」まで下りていくのか
資産の承継という現実的な問題に直面したとき、玄孫の存在はどう影響するだろうか。日本の相続制度における最大のポイントは「直系卑属であれば、代襲相続はどこまでも下に続く」という原則だ。
通常、財産は子、そして孫へと引き継がれる。しかし、不幸にも子や孫、曾孫が被相続人(亡くなった人)よりも先に他界していた場合、その相続権は下の世代へと飛び越えて引き継がれる。これを「代襲相続(再代襲)」と呼ぶ。兄弟姉妹の相続(甥・姪まで)とは異なり、直系の子孫であれば玄孫であっても代襲相続人として遺産を受け取る権利が発生する。2026年の資産運用・事業承継実務でも、長期的な生前贈与や家族信託の設計において玄孫世代まで見据えた計画を立てるケースが増加傾向にある。
なぜ「玄」の字が使われるのか?名前に込められた歴史と由来
「曾孫(ひ孫)」の「曾」は重なることを意味し、「玄孫」の「玄」は奥深い暗闇や黒を意味する。なぜ親族の呼び名に黒や闇を意味する漢字が使われているのだろうか。
中国の古代思想において、「玄」は「遠くてはっきり見えない」「奥深い」といった意味合いを持つ。親から数えて4世代も離れると、もはや本人の顔や存在がはっきりとは見通せないほど遠い子孫になる——そうした距離感を表すために「玄孫」という漢字が当てられたとされる。また、玄孫の先にある「来孫」の「来」は「未来からやってくる」ことを示し、「昆孫」の「昆」は「後から生まれる」という意味を持つ。昔の人々の時間感覚や命の広がりに対する畏敬の念が、これらの言葉に凝縮されているのだ。
お祝い金やプレゼントの相場——世代間ギャップを埋める現代のマナー
玄孫が誕生した際のお祝い金や、正月のお年玉、入学祝いなどの相場には決定的なルールが存在しない。世代があまりにも離れているため、贈る側の経済状況や家庭ごとの慣習に大きく左右されるのが実情だ。
一般的には、出産祝いや節句のお祝いで1万〜3万円程度、あるいは記念になるベビー用品や教育資金の一助として贈られることが多い。一方で、近年は高額な現金よりも「思い出の共有」を重視する傾向も強い。玄孫世代の親(曾孫世代)に対してデジタルギフトを贈ったり、家族全員での記念撮影費用を負担したりするなど、形を変えた心遣いが好まれる場面が増えている。何より最大の贈り物は、玄孫と対面したときの笑顔と、一族の歴史を語り継ぐ姿勢そのものと言えるだろう。 (出典: 玄孫 と は(Yahoo!ニュース))