高倉健と江利チエミ運命の馴れ初め!初共演秘話から電撃結婚の真実
高倉 健 江利 チエミ 馴れ初めの物語は、日本のエンターテインメント史において最も切なく、そして美しい純愛の記録だ。昭和という熱気に満ちた時代、一線で活躍していた二人がどのように惹かれ合い、絆を深めていったのか。銀幕のスターと歌謡曲の女王という華々しい表舞台の陰には、二人だけの密やかな日常と強い想いがあった。
映画界のスターへと上り詰める直前の青年と、すでに『テネシーワルツ』の大ヒットで時の人となっていた少女。二人の立場や環境は大きく異なっていたが、メディアの目を盗んで密かに育まれた高倉 健 江利 チエミ 馴れ初めの軌跡をたどると、知られざる多くのドラマが浮かび上がってくる。
運命が交差した撮影現場!初共演映画『サザエさん』舞台裏

二人の運命的な出会いは1956年に公開された映画『サザエさん』だった。主演を務めたのは、当時弱冠19歳にして爆発的な人気を誇っていた江利チエミ。対する高倉健は、東映に入社して間もない新人俳優であり、サザエさんの相手役・ノリスケを演じるキャストとして抜擢された。
当時の高倉はまだ演技に自信を持てず、現場でも極度の緊張状態にあった。そんな彼をやさしく解きほぐしたのが、すでに国民的大スターでありながら、誰に対しても分け隔てなく接するチエミの屈託のない明るさだった。NGを出して落ち込む高倉にジョークを交えて声をかけ、現場の空気を和ませる彼女の気配りに、高倉は一瞬で心を奪われたという。
キングレコードと東映が結んだ二人の極秘交際エピソード

出会いから間もなく、二人は密かに惹かれ合っていく。しかし、江利チエミはキングレコードの看板歌手であり、高倉健は東映が将来を嘱望する期待の新人。当時は芸能人のスキャンダルに厳しい時代であり、双方の所属会社や周囲の目をかわしながらの交際は困難を極めた。
デートは決まって深夜。高倉は自らハンドルを握り、多忙を極めるチエミの移動車を追うようにして時間をやりくりした。ロケ地への送り迎えや、寒空の下で彼女のために温かい飲み物を用意して待つ高倉の姿は、スクリーン上の硬派なイメージとは裏腹に、極めて誠実で温かなものだった。チエミもまた、多忙なスケジュールの合間を縫って彼の出演作を劇場で密かに観賞し、彼の成長を誰よりも喜んでいた。
美空ひばりがアシスト?日本映画界を揺るがした電撃結婚の裏側

二人の密かな恋路を陰で支えた重要な人物がいる。チエミの親友であり、当時の歌謡曲界の頂点に君臨していた美空ひばりだ。「三人娘」としてチエミと苦楽を共にしたひばりは、高倉の一途な人柄を見抜き、二人が周囲に邪魔されることなく会えるよう自室を提供したり、アリバイ作りに協力したりと、キューピッドの役割を果たした。
そして1959年2月16日、高倉健の28回目の誕生日に二人はついに挙式を行った。この電撃結婚は日本映画界のみならず、日本中を駆け巡るビッグニュースとなった。世紀のカップル誕生に日本中が歓喜し、メディアは二人を「昭和の理想の夫妻」と称賛した。
任侠映画でブレイクした高倉健と歌謡曲の女王・江利チエミのすれ違い
結婚後、高倉健は『網走番外地』や『昭和残侠伝』などの任侠映画シリーズで大ブレイクを果たし、一躍日本を代表するトップスターへと上り詰める。しかし、スターとしての階段を駆け上がると同時に、二人の生活には少しずつすれ違いが生じ始めていた。
互いに超多忙を極めるスケジュール。さらに二人が切望していた子宝に恵まれず、妊娠後の流産という痛ましい悲劇が襲う。チエミは自らを責め、夫に対する強い罪悪感を抱くようになった。お互いを深く愛しているからこそ、相手を思いやる気持ちが空回りし、二人の間には目に見えない繊細な溝が刻まれていった。
異父姉の嫌がらせと自宅火災…悲劇の連鎖が生んだ離婚の真相
二人をさらなる悲劇が襲う。チエミの異父姉による裏切りと悪質な嫌がらせだった。肉親として信じ切っていた異父姉は、チエミの名義を使って勝手に莫大な借金を重ね、挙句の果てには二人の仲を裂くための嘘や工作を周囲に吹き込んでいた。さらに世田谷の邸宅が火災により全焼するという災難までが重なる。
「これ以上、健さんの名前と俳優人生に傷をつけるわけにはいかない」。追いつめられたチエミは、一人で全ての借金を背負う覚悟を決め、苦渋の決断として離婚を申し出た。高倉はやり直そうと彼女を引き止めたが、チエミの意志は揺るがなかった。1971年、二人は離婚。愛し合いながらも別れざるを得なかった二人の真相は、当時のファンに強い哀切を感じさせた。
Amazon Prime Videoで再評価が進む昭和を代表する伝説の愛の軌跡
1982年、江利チエミは45歳という若さでこの世を去った。彼女の訃報を聞いた高倉健は深い悲しみに暮れ、その後の人生で生涯再婚することはなかった。彼女の命日には毎年、報道陣の目を避けて静かに墓前を訪れ、線香をあげ続けたと伝えられている。彼が肌身離さず持ち歩いていたお守りの中には、チエミとの思い出の品が眠っていたという。
時代が流れた現在、Amazon Prime Videoをはじめとする動画配信サービスでは、二人の初共演作や若き日の傑作がデジタルリマスター版で配信され、再び脚光を浴びている。二人が残した映画や歌声は、今なお色あせることなく、昭和という時代を生きた二人の切なくも美しい愛の物語を語り継いでいる。 (出典: 高倉 健 江利 チエミ 馴れ初め(Yahoo!ニュース))